- スティーヴ・ヴァイやポール・ギルバートを支えるEnrico氏のギター録りの秘訣
- 2017/12/12
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スティーヴ・ヴァイやポール・ギルバートを支えるEnrico氏にギター録りの手法をレクチャーして頂きました。
様々な分野で活躍するEnrico Sesseiego氏とは
Enrico Sesseiego氏はレコーディングエンジニア、PAエンジニア、ギタリストなどと言った様々な分野で活躍するエンジニアで、レコーディングエンジニアとしてはEducator Eddie Kramer、Jeff Peters、Ken Allardyceなどの著名エンジニアのアシスタントからスタートし、世界的ギタリストにスティーヴ・ヴァイにその才能を見出されて専属エンジニアに抜擢。
またポール・ギルバートのヨーロッパツアーのFOHエンジニアを担当。スティーヴ・ヴァイやポール・ギルバートを支えるエンジニアのギター録りの手法とは
Enrico氏にスタジオにお越し頂いてスティーヴ・ヴァイやポール・ギルバート(MR.BIG)などの多くのギタリストにて使われているギター録りの手法を実演して頂きました。
今回はリアンプを想定してリアンプ用セッションを用意してリアンプの実演を行って頂きました。まずセッティング前に楽曲を何度か聴いて楽曲イメージを確認して、イメージに沿う機材選びを行いました。
楽曲を聞いてイメージを持ってからサウンドメイキングすることが大切だと仰っていました。今回の曲調がロックバラードということでオーソドックスなサウンドをイメージされたようでギターアンプはMarshall JCM2000 TSL100、キャビネットにMesa/Boogie Road King Slant Cabinetを指定。
キャビネットを選ぶ際にはスピーカーユニットの種類を確認したりとギタリストならではの拘りが伺えました。またギターアンプの音作りが非常に早く、1コーラスでアンプの特性を察知して瞬時に音作りが出来ており、豊富な経験と素晴らしいセンスが両立されているからだと再確認しました。
マイクとHAのシグナルフローは下記となります。●シグナルフロー詳細
SHURE SM57→AVALON DESIGN AD2022
SENNHEISER MD421MK2→AVALON DESIGN AD2022
AKG C414B-XLS→SSL XLogic Alpha VHD Pre
SENNHEISER e606→AMS NEVE 1073
マイクセッティングはSHURE SM57、SENNHEISER MD421MK2、SENNHEISER e606はキャビネットの網に触れるほどの距離で、AKG C414B-XLSは部屋鳴りと高域を収録するべくキャビネットから2m程離れた設置。
AKG C414B-XLSを高い位置でセッティングした場合は高域が強調されて、低い位置でのセッティングの場合は低域が強調されるのでサウンドを聞き分けて最適な距離を算出していました。アウトボードの設定はSHURE SM57、SENNHEISER MD421MK2に使用したAVALON DESIGN AD2022では、インプットレベルを大きめに設定しアウトプットレベルで出力レベルを調整しているのが特徴で、真空管マイクプリの場合は基本的にメーターが振り切れるくらいがディストーションギターを収録する際にサチュレーションが発生して真空管の特性を生かせるとのこと。
SENNHEISER e606に使用したAMS NEVE 1073もインプットレベルを上げており且つEQで220hz、3.2khz、12khzを少しだけブーストして抜けの良い音に。
AKG C414B-XLSに使用しているSSL XLogic Alpha VHD PreにおいてもVHD回路(Variable Harmonic Drive)を使用してサチュレーション効果を付与させて厚みのあるサウンドで収録。基本的に音作りはSHURE SM57、SENNHEISER MD421MK2をメインに始めて、AKG C414B-XLSで部屋鳴りを加えて、SENNHEISER e606はSHURE SM57やSENNHEISER MD421MK2がマッチしない場合に使用するとのこと。
ギターアンプの出力はマスターボリュームが7~8近辺と大音量で、こちらも真空管マイクプリ同様に真空管の特性を生かしており、逆にマスターボリュームに反比例してゲインは下げているので輪郭やニュアンスがハッキリ浮き出るサウンドが特徴です。
自身のレコーディングの際はコンパクトエフェクターも併用するようで、直列に繋げてA/Bで比べて音作りを進めて行くようです。まとめ
歪ませているギターサウンドのようにノイズの塊のサウンドではアンプやHAの特性を生かすべくインプットレベルは振り切る手前まで突っ込むようで、歪ませないソースではインプットレベルは大きく突っ込まないとのこと。
またコンプレッサーは録り段階ではあまり使用せず、アウトボード類はミックスダウンの際にプラグインと併用して使用しているようです。マイクやHAやアンプの持ち味を最大限に生かしたサウンドを収録する事がミックスダウンやマスタリングを行う際には重要だと仰っており、今回実演して頂いて本当にその通りだと再確認しました。
また機会があれば是非もっと深い部分を教わっていきたいと思います。
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