• レコーディング前の楽器メンテナンス12項目
  • 2015/06/16
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  • レコーディング経験が少ない方がいざレコーディングを始めようとすると、
    機材のメンテナンス不備でレコーディングが中断したり、録り音に悪影響が及ぼす事があります。
    中断すればレコーディング時間が圧迫されますし、
    録り音に悪影響が及ぶと仕上がりも満足頂けない場合も想定されます。
    エディット、ミックス等である程度の修正は可能ですが、出来る限り録り音で仕上げるのがレコーディングの基本です。

    CPR STUDIOではレコーディング時間や仕上がりにも満足して頂けるように、
    今回はレコーディング前に必ず行っていると良い仕上がりに繋がる各パートにわけた全12項目の楽器メンテナンスのポイントに注目します。
    下記メンテナンスポイントは1~3はドラム、4~9は弦楽器、10~12はボーカルが対象となります。

    1.ヘッド交換
    2.ペダル調整
    3.シンバル磨き

    4.弦高調整
    5.オクターブ調整
    6.9V電池交換
    7.弦交換
    8.アンプ、エフェクター、ケーブルの動作チェック
    9.予備の楽器、消耗品の用意

    10.睡眠時間
    11.準備物の事前準備
    12.基礎体力

    ドラムのメンテナンス

    1.ヘッド交換
    まずはドラムですがロックやポップス等の抜けの良い音をご希望の場合は、
    レコーディング前日にドラムセット、及びスネアのトップ(打面)とボトム(裏面)のヘッドは新品に交換してください。
    (レコーディング当日に張り替えるとヘッドが伸びる可能性がありチューニングが安定しない事がありますので前日がオススメです)

    よく『少し使った方が馴染む』と言われる方もいますが、
    ヘッドは叩けば叩く程、音抜けに直結する高音域が落ちてきます。
    高音域が落ちている場合、ミックス時にEQに高音域を上げる事も可能ですが、
    位相や他ソースとのバランスが狂う事が懸念されます。

    2.ペダル調整
    ペダルに関してはペダルを踏んだ際に発生する摩擦音が大きいとマイクで収録してしまう事がありますので、CRC(556)やグリスでスムーズに動くようにメンテナンスが必要です。
    (CRC(556)やグリスの付け過ぎは埃が溜まってしまうので程々に)

    3.シンバル磨き
    シンバルは手垢や汚れ等が不着しているとサスティーンが短くなりますので、
    シンバルクリーナーで磨く事をオススメします。
    ドラムはドラマーのメンタルの状態が非常に音に表れやすい楽器なので、
    綺麗なドラムセットやシンバルでレコーディングを行う事により、精神状態が安定して良い音で録れます。

    弦楽器のメンテナンス

    弦楽器のメンテナンスと言えば基本中の基本となる弦交換は必須ですが、
    弦を交換する前にも様々なメンテナンスポイントがあります。

    4.弦高調整
    弦高は弾きやすさを求めて低くセッティングするのは良い事ですが、あまりに低く設定し過ぎて弦がフレットにビビっている事に気付かない方がいらっしゃいます。
    弦のビビりはレコーディングでは非常に致命的で、
    音抜けやサスティーン、倍音の減少等に大きく影響があり、1Fから最終フレットまで弦のビビりがない事を確認するのがポイントです。
    特に湿気の多い時期のネックの曲がりもメンテナンスポイントの1つです。

    5.オクターブ調整
    レコーディングを行う際に皆さんチューニングを行いますが開放弦のチューニングのみしている方がいます。
    開放弦のチューニング同様に重要であるのがオクターブチューニングです。
    CPR STUDIOではチューニングの確認をする際に必ずオクターブチューニングも行って頂いております。

    その理由はオクターブチューニングのズレは開放弦のチューニングの際には発見しづらく、
    オクターブチューニングのズレが発覚するのが大体レコーディング佳境のオブリガードやソロの高音弦の収録時が多いからです。
    レコーディング佳境でオクターブチューニングのズレを発見して、レコーディングをやり直す方も過去にいらっしゃいましたのでオクターブ調整も必須メンテナンスです。

    6.9V電池交換
    EMGなどのアクティブピックアップ、または本体内蔵プリアンプをご使用されている弦楽器をお使いの方は本体内蔵の9V電池の交換が必須です。
    9V電池は新品時が電圧が安定している最高の音質とされており、前日または当日の交換がオススメです。
    コンパクトエフェクターもACアダプタからの配電より新品9V電池からの配電の方が安定したサウンドを供給出来ます。

    上記の弦高、オクターブ調整を含む各種調整は、
    CPR STUDIOの上階のギターリペア工房 DNSにてメンテナンス可能です。
    レコーディング前日、もしくはレコーディング開始1時間半前にご来店頂ければ、一流リペアマンによる調整が可能です。(要予約)
    弦高、オクターブ調整は勿論、ネックの曲がり方の調整まで迅速で音楽ジャンルに合わせた対応で調整させて頂きます。

    7.弦交換
    上記の弦高、オクターブ調整、9V電池交換(アクティブ回路の場合)が完了したらいよいよ弦交換です。
    昨今ダウンチューニングが流行っており今まで以上に弦のテンションがシビアになってきておりますので、
    チューニングに応じたテンションが確保出来る弦を選ぶ事もメンテナンスの1つと考えております。
    特にドロップチューニング(ドロップA、ドロップB、ドロップC#等)をご使用の方は、弦のテンションが強めにかかる弦をお選び頂けると開放弦の和音が綺麗に鳴り、また低音域がモタつかずタイトに収録出来ます。
    また弦の多くは海外から輸入されており、航空便や船便問わず、輸入する際に時間が掛かっておりますので、
    ビニールで梱包されている弦が錆に強く音質ロスが少ないです。

    8.アンプ、エフェクター、ケーブルの動作チェック
    レコーディング当日にエフェクターやケーブルからノイズが発生する事も多々ありますのでアンプ、エフェクター、ケーブルの動作チェックが必要です。
    自宅環境で大音量を出す事が難しい場合はリハスタ等に機材やケーブルを持ち込んで大音量でチェックする事をオススメします。
    大音量でチェックする事でS/N比(音に対するノイズに割合)も確認出来、レコーディングではこのS/N比が非常に重要です。
    S/N比が著しく悪い機材は最悪の場合、レコーディングで使用する事が困難なケースもあります。

    9.予備の楽器、消耗品の用意
    予備の楽器、消耗品の用意もメンテナンスの1つです。
    CPR STUDIOではレコーディングを行う際、必ずサブを含めた複数楽器の持込を推奨しております。
    その理由はメイン楽器に予期せぬトラブルが起こったり、メイン楽器で収録したが回りのオケとの相性が悪かったりと様々な要因が重なりあうからです。
    また弦が切れたりする事もよくありますので予備の弦の用意も必須です。

    ボーカルのメンテナンス

    10.睡眠時間
    ボーカルは自分自身が楽器であるので睡眠時間が1番大切なメンテナンスポイントです。
    レコーディング前日のに8時間程の睡眠時間を確保すると、1日通してのボーカル録りでも良いパフォーマンスを発揮します。
    睡眠時間が短い場合、長時間のレコーディングを行う際にどうしても体力的に不利になります。
    レコーディング前日に湯船につかり体を温めて筋肉をほぐす事で、気道の確保がしやすくなり声の通りが良くなります。

    11.準備物の事前準備
    また歌詞カードなどの準備物はレコーディング前日までに行う事もメンテナンスの1つです。
    レコーディング当日に歌詞カードの準備やその他準備を行うと一杯一杯な状態になり、レコーディング時に良いパフォーマンスが出来ません。

    12.基礎体力
    また日頃からジョギングや筋トレを行い基礎体力を上げる事で声のブレや音抜けが向上しますので、こちらも日頃のメンテナンスの1つだと考えております。

    最後に

    上記メンテナンスを行う事により、レコーディングのスケジュールや仕上がりに満足して頂けると思います。
    CPR STUDIOではレコーディングやミックスを行っている中でも、今回記載した内容以外のレコーディングテクニックやアドバイスもお伝えしております。

    それはご利用されている皆様に『より良い環境で充実した音源制作を行い、妥協の無い音をパッケージして頂きたい』ただそれだけの思いです。
    テクノロジーが発達してCD、各種音楽配信、Youtube等が充実し1度リリースされた音源はアーティストが亡くなっても永遠に存在するようになりました。
    だからこそ納得出来る音源を最高の形でリリースして頂きたいとCPR STUDIOは考えております。

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