• DAWシステム(Avid Pro Tools HDX)を導入しました。
  • 2017/04/18
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  • レコーディングスタジオ標準のPro Toolsの最新DAWシステム(Pro Tools HDX)を導入しました。

    Pro Tools HDXはHDX導入前に使用していたProTools HD3 Accel Systemの最新版となり、ProTools HD3 Accel Systemに比べてPro Tools HDXは【ボイス数向上】、【ディザー処理向上】、【64bit仕様Pro Toolsへの対応】の3点が大きなポイントなります。

    大規模セッションにも対応するパワフルなボイス数


    ボイス数とはPro Toolsでの同時発音数を表しており、大規模セッションのレコーディングやミックスダウンでは非常にセンシティブになる値の1つです。
    Pro Tools HD3 Accel Systemでは3枚のカードを併用しての最大ボイス数が192ボイスでしたが、Pro Tools HDXでは1枚のカードで最大256ボイスを使用可能となり今まで以上に大規模セッションの作業は行えます

    またボイス管理からバスやI/Oの管理をDSPチップからFPGAチップにて行うようになり、HDXでは殆どDSPチップを使用せずに処理する事が出来るので、ボイス数が増えた場合もDSPチップをフル活用できます。
    (DSP数はHD Accel CardのMotorola製DSPPresto(2個)及び321(7個)の計9個からHDXカードはTexas Instruments製TMS320C6727B-350の18個へ)

    自動遅延補正も4,096サンプルから16,384サンプルへ4倍に上がり、大量プラグインを使用したセッションにおいてもプラグイン遅延に悩まされる事なく作業が行えます。

    音質が変化のない高解像度サウンド


    ディザーとはビット深度を変える機能であり、DAWではwavへの書き出しの際に使われる機能でご存知の方も多いかと思います。

    HD Accel Systemの場合、処理を担うCoreカードやAccelカードには複数DSPチップが搭載されており、各チップの内部処理は48bit演算処理(S/N約288dB)、各チップを結ぶTDMバスは24bit演算処理(S/N約144dB)と異なったビット数で処理されていたのでTDMバスを通る度にディザーが発生しておりました。
    1度のディザーならまだしもプロセスがDSPを通す度に何度もディザーを行う事で、音の飽和や歪みが発生して本来のサウンドと異なる場合もありました。

    HDXでは全ての処理が32bit Float(S/N理論値1536dB)に統一された事で、ディザーがなくなり音を忠実に収録して忠実に再現が出来ます。
    ディザーに悩まされる事がなくなったHDXではNEVEやSSLなどのアウトボードの恩師をしっかり受ける事が出来、今まで以上にアウトボードの必要性が高まります。
    最終サミングのみ64bit Floatで処理しているので多くのトラックが存在する場合も飽和する事がありません。(HD Accel Systemでの最終サミングは48bit)

    次世代サウンドの決定打となる64Bit仕様のPro Tools


    HDXからPro Tools 11以降の64bit仕様のPro Toolsに対応しております。
    (HD Accel Systemは32bit仕様のPro Tools 10まで使用出来ましたが、64bit仕様のPro Tools 11以降は使用出来ません。)
    では同じPro Toolsでも32bit版と64bit版では何が異なるかご説明します。

    まず最大のポイントは64ビット環境に最適化された新しいオーディオエンジン【AAE / Avid Audio Engine】に変更された事です。
    32bit版までは採用されていたDAE(Digidesign Audio Engine)とは異なり、マルチコアに対応した各CPUメーターが表示されて個別に管理出来るようになり、またタイムライン上に処理すべきリージョンが多いと今まで通りCPUリソースを使用しますが、リージョンの少ない部分ではCPUリソースを解放して他処理へリソースを確保する仕様となっています。
    オフラインバウンスにも対応し実時間のバウンスからバウンス時間が短縮されて作業効率が上がってます。

    まとめ

    レコーディングスタジオの中には様々な理由でPro Tools HDXを導入していないレコーディングスタジオもありますが、CPR STUDIOは最先端のサウンドを目指す上で必要不可欠だと判断して導入しました。
    メジャーアーティストの音源は多くはPro Tools HDXで録音、編集されており、CPR STUDIOをご利用のお客様にも同様のクオリティーを提供します。
    上記3点のポイント以外にも様々な恩師を受けるPro Tools HDXのサウンドを是非体感してください。

    Pro Tools HDXの最先端技術で高音質サウンドを収録するCPR STUDIOはこちらへ

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