• エンジニア観点による打込みドラムの理想形
  • 2015/06/23
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  • ここ数年、ドラム音源のクオリティーが高まり、ミックスの際に打込みドラムで依頼するお客様が増えております。
    そこで今回はCPR STUDIOのエンジニア観点による、打込みドラムの仕上がりが良くなる方法に注目してみたいと思います。

    打込みドラムの特性とは

    そもそも生ドラムと打込みドラムは音質、表現力など含め全く異なる楽器であると考えてます。
    生ドラムをレコーディングする際はドラム機材やマイク等のセッティングが1度音が決まると、曲を録り終えるまで変更する事はありませんが、打込みドラムの場合はミックスに落とし込む寸前まで自由に変更する事が出来ます。

    後者のように自由に変更出来た方が良いと思う方もいますが、実はその逆もあり、自由が効き過ぎてドラムサウンドの方向性を見失う事もあります。
    ドラムは楽曲の骨組みとなるのでドラムサウンドの方向性が定まっていないと弦楽器、ボーカル、シーケンスの方向性もブレてきて、楽曲が纏まらなくなります。
    上記含め、ドラムサウンドの方向性には十分注意が必要です。

    ●EQやコンプが掛かっていないドライ音を使用
    ドラム音源は即戦力なサウンドになるようにデフォルトでEQやコンプやリバーブが使用されている事が多いです。
    各種エフェクトが使用されているとエンジニアが自由に音作り出来なくなるのでミックスの際はドライ音でお渡しする事をオススメします。

    ●複数ドラム音源、ワンショット音源の使用
    また1つのドラム音源で全てのドラムサウンドを構築するのではなく、複数のドラム音源を使用する事で音のキャラクターをつける事が出来ます。
    またワンショット系のサンプルも積極的に使用する事で個々の音のキャラ立ちが良くなります。
    CPR STUDIOではキックとスネアはBFD、タムはAddictive drum、シンバルはSonic Reality OceanWay Drums Gold Editionをメイン使用して、不足部分にはワンショット系サンプルを使用しております。

    ●クオンタイズをコントロール
    またクオンタイズをグリッドにピッタリ合わせるのではなく数ティックずらす事で人間味あるノリが出来てきます。
    グリッドに完全一致するドラマーはいないので参考となるドラマーを決めてクオンタイズのズレを研究すると面白いと思います。

    ●ベロシティ
    またベロシティもベタ打ちではなく、Melodyne等で各パーツのベロシティを図るとリズムのノリを再現する事が出来ます。
    パッドを搭載したMIDIコントローラーを使用するとノリが出てきやすいです。

    ●シンバルのみ収録
    ドラム音源に収録されているキック、スネア、タムはかなり生ドラムに近いサウンドですが、
    シンバルはどうしてもエアー感が足りず物足りない事も多いです。
    その場合はスタジオでシンバルのみ収録する事もあり、スタジオのマルチマイクで収録する事で、エアー感を補う事が出来ます。

    最後に

    打込みドラムの良い部分と良くない部分を把握する事で、楽曲に沿うドラムサウンドのアプローチが出来てくると思います。
    また1度ドライ音からラフミックスを作る事で、EQやコンプとの絡み方を再確認出来るすると理想のドラムサウンドに近付けると思います。
    CPR STUDIOでは打込みドラムの作成も行っておりますので、打込みドラムでお悩みの方からのご連絡もお待ちしております。

    理想のドラムサウンド作りに全力でお付き合いさせて頂くCPR STUDIOはこちら

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